16 )エムロボ<イマイ 1/15 ライドアーマー <バートレイ>

【酒餅版 機甲創世記モスピーダ 〜ALL YOU NEED IS KILL〜 】

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蟹(インビット)が迫る。
死神の息吹が耳元に。
死神の姿がバイザーシールドのむこうに。
見えた。
死神は全身を赤に染めていた。二メートルはあるかという大きな鎌も真っ赤だっ た。
鎌というよりは戦斧(バトルアクス)に近い形状だ。敵も味方も埃 色の迷彩塗装をしている中で、
そいつはガンメタリックレッドの輝きを四方にまき散らしていた。

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蟹(インビット)を凌ぐスピードで死神は突進。深紅の脚がぼくを蹴り飛ばす。
装甲がひしゃげる。息が詰まる。天地が逆になる。
バイザーに投影されたアラー ト表示が半分くらいまとめて赤くなる。
口から吹き出した血反吐がそれ らすべ てを覆いつくす。右腕に握られたビームガンが暴発する。
ぼくは十メートル以上ふっとんだ。背中の車輪を兼ねた推進機がガリガリと地面 を削りとる。
逆さまのまま停止した。

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死神がバトルアクスをひと振り。
斬れないものを無理矢理断ち切る金切り音。
急ブレーキをかけた列車の残響に似ている。
蟹(インビット)の頑強な甲羅がはじけ飛んだ。
一撃だ。
ただの一撃で、蟹(インビット)は動かぬモノと化した。切断面から緑色の体液 が飛び散る。
まっぷたつになった体が、それぞれ別個にびくびくと痙攣 する。
人類の叡智を込めた最新の武器でやっと傷つく敵を、そいつは、
千年も昔の蛮族 が使っていたようなバトルアクスで易々と屠ったのだった。
死神はゆっくりと振り返った。

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アラートだらけのディスプレイに、ぽつんとひとつ、緑色の光が点灯する。
味方からの通信を意味するアイコンだ。
「………………ったのだが………のか?」
女の声だった。
雑音まじりでよく聞き取れない。
ぼくは立ちあがれなかった。ガタがきた肉体とライドアーマーは、
逆さまになっ た体勢を元に戻すのが精一杯だ。
よくよく見れば、そいつは冥界の使いなどではなく、ぼくと同じライドアーマー兵だった。
違っているのは、ビームガンやミサイルを装備する代わりに武骨なバトルアックスを持っていること。
スーツのマーキングがMB(マルスベース) ではなくJB(ジュピターベース)になっていること。
通常のライドアーマー は乾涸びた油粘土のように淡い緑色の迷彩で擬装してあるのに、
そいつの装甲は鮮烈なガンメタリックレッドに輝いていることだ。

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噂は知っていた。
戦場の牝犬(ビッチ)。
戦いを求めて世界を駆け巡るウォージャンキー。
人類が殺したインビットの約半数は、その女が所属する特殊部隊の戦果だという話も聞く。
攻撃してくれとで も言いたげな格好で戦い生き残ってきたのなら、
そいつは、あるいは、本当の死神と言えるのか。
バトルアックスを抱えたまま、深紅のライドアーマーはぼくに歩み寄った。

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「名前を言えるか?階級や所属じゃない。おまえの名だ。」
「レイ……」
「自分の名前はフーケ・エローズ。もうこの辺りには味方も蟹(インビット)もいない。」
そのとき、フーケへの通信が入った。今度は男の声だった。彼女とリンクしているぼくにも自動的に聞こえた。
「ステック・バーナードよりフーケ・エローズへ」
「聞こえている」
フーケは短く答える。
「敵基地周囲の制圧に成功。制圧維持リミットは十三分。
ピザを焼きたいがトッピングのカニが足りない。運んでやるから、もうひと暴れしてくれ。」
「フーケ・ローズ了解した。」
フーケがステックのアーモダイバーに運ばれてから半日、
夕闇があたりをおおいはじめる頃にぼくは捜索隊に助けだされた。

〜あとがき〜
みなさんお元気ですかエムロボです。ほんと、暑いですね。
去年の自分も随分と暑い夏に苦労していたようです。
今年は暑さのせいか体も不調続きで 工作も進まず、一時期は悶々とした時間を過ごしました。
そんな中で夢中になって読んだ名作「ALL YOU NEED IS KILL」は
原作もコミックスも複数回読み込むおもしろさでした。
(お酒を頂きながら読んだぼくには本文の様にも思えました。
小学生 の悪ノリ替え歌と思って許して下さいw)映画は色々な意味で怖くてまだ観ていません。

1/15ライドアーマー<バートレイ>はよくできたキットですが、
新作アニメのキット「マジンボーン」に着せるとさらに表現力がアップするのでお勧めです。

本作のインビットは蟹そのものになりました。酒のつまみにもぴったり。
まっぷたつになった甲羅は会社の新人歓迎会で出されたお料理「かにみそ」の器 を、
居酒屋のトイレできれいに洗ってハンドタオルに包み大切に持ち帰りました。
ハサミと脚は家族と出かけた食べ放題のメニューにあったカニ。
こちらも殻を割らずに丁寧に身をほじって頂きました。
蟹を洗ってベランダに干したら妻に笑われました。(ヘンかな?)

フーケを運ぶアーモダイバーの腕はガンプラの
「U.C.ハードグラフ 1/35ス ケール 地球連邦軍対MS特技兵セット」から陸戦ガンダムのものを使いました。
違和感ありありですがご愛嬌ということで…。

最後に、運営のみなさん、本当におつかれさまです。ありがとうございます。
せめてもの気持ちとして今回も賞品を提供させて頂きます。それでは、ま た来年お会いしましょう。

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非公開コメント

あのインビットを蟹で表現されるとは流石です!

確かに甲殻類っぽいデザインですよね♪

バートレイ本体も確かな技術に裏打ちされた素晴らしい作品な上にそれを盛り上げるストーリーも最高ですo(^▽^)o

本編は当時見ていた筈なのに今ひとつ記憶にないのでまた最初から見てみたくなりました。

それにしてもこれから蟹見たらインビットにしか見えないかもですw





No title

おひさしぶりです。
80年代の作品であることを忘れさせるスタイリッシュさ、素晴らしいのヒトコトです。ボクもライドアーマー積んでるのでいつかは挑戦したいです。
あと、インビットの中身を外装を傷つけることなく抜き取る技術も素晴らしすぎます。

なんというAll You Need Is Kill

素晴らしく美しいですね〜
女性タイプでキズだの汚れだの無しにするのにも、ストーリーからその理由付けが判って綺麗さが凄みに感じられますね〜

No title

すごい!
良い映画を観させていただいた気分です。
作品もこの上ないですがストーリーもすごいですね!
わくわくしました。

No title

 居酒屋の蟹殻を洗って持って帰ってきちゃうあたり、なんか工作に使えるんじゃないかと職場から壊れたマウスとか持って帰ってくる私はすごい親近感がw。

 シャープなライドアーマーと生物的なインビットの対比もかっこいいですね。

ライドアーマーの造形には

私如きがとやかく言うレベルは無い完成度♪
蟹の甲羅をコッソリ持ち帰るエピソードにほっこりしました(^^)

ご覧頂きありがとうございます

ブログでは制作過程等のおまけ画像をアップしています
ぼちぼちという感じですが本編と併せて笑ってやって下さいませ
エムロボ模型缶:http://mrobo.blog24.fc2.com


>たまさん
ありがとうございます
最初はトイを買おうかと思っていたんですが1万円超えという値段なので諦めました
あまり真面目にやってもおもしろくないですしw
お話は某動画サイトに全話アップされています
私はこれを全て見返してから制作しました
皆さんと同じくすっかり当時の記憶がなかったもので

>あざらしさん
ごぶさたしてます
ライドアーマーはそのままでも魅力的なんですがマジンボーンはお勧めです
殻を傷つけずに美味しく頂く方法は今回で確立しましたw

>へてかるぴさん
ありがとうございます
小説にぞっこん惚れ込んでしまったので汚せなくなりましたw
返り血くらいは浴びるだろう、とも思ったのですが
そこはそれ、画像的見栄えを優先しました

>ヤッチョマンさん
ありがとうございます
チャラと呼ばれていたエムロボです
ストーリーを気に入って頂けたのでしたら是非原作も読んでみて下さい
上記ストーリーは「原作小説の名称を差し替えただけ」というガチパクリですのでw

>ケタギーノさん
ありがとうございます
もうね、宴からこっそり持ち出して、といれてシコシコ洗って、つぶれない様に中にペーパータオル詰めて…
涙ぐましい努力のおかげてバッチリでした
それにしてもしばらくは鞄がカニ臭くて良くも悪くもこまりましたがw

>44HIROさん
ありがとうございます
こっそり持ち出したはずなのに、部下にはもろバレでもう一個予備ももらいましたw
ベースに配置しても胴体だけでは見栄え不足で、家族を蟹のあるバイキングに連れて行くはめになりました
でも、家族サービスで欲しかったハサミや脚も手に入って大満足の夏でした

グラブタイプが

すごくリアルにできているじゃないですか。
まるで宴会場から拝借してきたみたいです。
勢いも仕上げの良さも、巨大な腕も、まさかこれを!って
感じの組合せと切り口で、さすがは昨年度の
キング!と言わざるを得ません。

今度現物を遊ばせてください。いや、蟹じゃなくてね。

マジンボーンっですね!

このキットは積んでいるのですが、プロポーションのアレっぷりがソレしていて、なかなか作る気力が起きないキットの一つでして。
確かポリキャップも使ってなかったよなあ。(うろ覚え)
プロポーション、塗装、造形共に素晴らしいですね。
グッジョブ。お疲れ様でした!

ご覧頂きありがとうございます2

>とめぞうさん
ありがとうございます。
キングキャップエムロボです。
今回はあらゆる意味でとめぞうさん作品に完敗ですが、
なんだか清々しい気持ちで一杯です。
こんど乾杯しましょう!
ボクのナニで遊びたいみたいですけど、それはどうかなぁ…w

>でんちゅうさん
旧キットの大半はプロポーションなんですよね。
なので関節のタイミングを変えてあげるだけで全く見栄えが変わります。
マジンボーンバンザイ!ってくらいお勧めです。
マジンボーンファンの方には怒られてしまいますが…。
あと、でんちゅうさんの名前をお見かけするたびに、
殿中でござる、殿、でんちゅうでござるっ!」と言う言葉が頭に浮かんで困ります。
失礼致しました!

No title

塗装の仕上げの綺麗さに感動いたします。
深紅のボディーとあと蟹の色ww
絶対まねできません。

右肩に背負ったタイヤの溝(トレッドパターン)
が左より浅く思うのですが意図的に右側が
駆動輪解釈で擦り減った感じを出したのか、
ただ酔った勢いだけなのかはわかりませんが、
私の気のせいですかね?

製作お疲れ様でした。

カニカコウ

素直にカッチョイー!
80年代ロボながら、今のハリウッド映画の1シーンのようなスタイリッシュさ。工作、塗装スキルすげーです。
蟹は塗装してるのですか? サフとか吹けば加工もできるのでしょうか?

ダンバインモデラーが居酒屋に通いつめそうな気が…

流石キャップ

V2だったらTシャツの背中に光の翼でも描いて頂きましょうかねw

今度はエビ食いに行きましょう。
それで、「南海の大決闘」ジオラマに挑戦した下さい。

ありがとうございます

>ノウスさま
ありがとうございます。
かにのボディは缶スプレー4色をぶぶっと吹いただけなので楽勝です。
クリアーオレンジがいい感じでボカシとらしさにつながりました。
タイヤのパターンに気がつくとはすばらしい観察力ですね。
キットのままですが、前輪の溝が浅く後輪が大きくて深いパターンです。
実はカニ編と腕編でタイヤの位置が入れ替わっています。
単純に間違えて、後で気がついてなおしたというのがバレバレですw

>ソラキオさま
ありがとうございます。
今回はプライマーZという何にでも使えそうなプライマーを下地にして、
その上からプラモデル用のサフを吹きました。
そのまま塗装しても問題ないでしょうけど念のためにやりました。
塗装は意外とシンプルで手持ちの缶スプレーで適当にやりました。
意外と様になったのでほっとしていますw

>Toshikiさん
おつかれさまです!
今回は酒餅レベルが高すぎてV2なんぞは恐ろしくて口にも出せません。
でも、もし、賞をいただく様なことがあったら、何かやらないといけないでしょうねw
TNCメンバーをはじめ今回はレベル高すぎです。
一方で、みているだけで大満足、もう何もいりませんって感じです。

No title

凄まじい完成度ですね!
造詣、塗装、圧巻です。

この作品を見習って綺麗な完成品を
仕上げてみたいです。

製作お疲れ様でした!

No title

世界観の再構築に先ずは圧倒され、蟹のインパクトで追い討ち、その後ライドアーマーとレギオスの仕上げに止めを刺される感じです。ホイールの質感がまたカッコいいです!

アレかな?と思ったらアレだった

涙の決闘ののちにキラー・レイが誕生したりするんでしょうか

そして巨乳整備兵イエローを妄想したボクはもうダメかもしれません

素晴しいです。

もうね、何も言えません。

こんなにスゴイの!
工作も早いし仕上がりもキレイ!
自分もこの技術が欲しいです。

ポーズも良いですね。

今度実物が見てみたいです。

またまたありがとうございます

>ピカさま
ありがとうございます
でも、実物見るとそうでもないと思いますよw
皆さんの作風が質感重視なので汚し入れてないだけって感じかも
今度はバリバリに使い込まれたライドアーマーも作りたいです

>MARCY URLさま
ホイールはちょっとこだわってみました
メッキシルバーネクストを使っていますが下地は光沢の黒で準備しました
メッキシルバーは本当に軽くサッと吹き付けるのかコツですね
上手く行くとメッキなみの質感になりナイスです

>MIさま
巨乳のイエロー…爆死ですねw
でもぽっちゃりふくよかなバイセクシャルキャラは新しいかもしれません
あの小説とこのアニメの世界観は重ねて見られる要素が多くて楽しめました

>kamasaおやびんさま
おやびんの仕上げには遠く及びませんががんばりました
おやびんもきせかえしましょうよ
完全変形の技術なぞに比べれば楽勝ですよん
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Toshiki

Author:Toshiki
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